ITドナドナという言葉を最近になって知ったのですが、言葉を知らないだけで意味を聞いたらすぐにわかりました。
会社にいたあの人達はITドナドナだったのか!そう思いました。
私自身IT関連の中小企業に7年ほど勤務しておりましたので、体験談も交えてITドナドナの意味を解説していこうと思います。
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「IT」+「ドナドナ」
「ITドナドナ」と少し馬鹿にしている感じがしませんか・・?まあそのとおりなんですけどね。
ITとは
「IT=Information Technology.」の略です。
難しく言うと、「情報を取得、加工、保存、伝送するための科学技術」。超大雑把にいうと「パソコンを使うアレだよ」っていう感じでしょうか。
今回の場合でいう「ITドナドナ」の「IT」部分は主に中小企業のプログラマーのことを指しています。
ドナドナとは
皆さんご存知の方がほとんどだと思いますが、「ドナドナド〜ナ〜ド〜ナ〜♪」という小学校で習うあの歌ですね。
「可愛がっている仔牛が売られて行く」という歌詞で、本来の意味は黒人の子供が奴隷として売られていくという悲しい話なんですが、それはさておき。
「ITドナドナ」を簡単にまとめる
このように「IT」と「ドナドナ」を合わせて「ITドナドナ」という単語が作られました。簡単にまとめると、中小企業のプログラマーが、社外に派遣され外注として仕事をするということです。
また、自身の社内で仕事をすることはほとんどなく、派遣先での仕事を終えると、また次の派遣先での仕事へ回され続けることです。
簡単に説明をするとこんな感じでしょうか。派遣先で仕事をするって別に普通のことじゃない?土木や建設関係なんてほとんどそうでは?と思う方もいると思いますが、建設関係の職人さんとは全く違います。
では、もう少し詳しく体験談も含めて説明していこうと思います。
「IT ドナドナ 意味」とググってみる
「IT ドナドナ 意味」と、3つのキーワードでググってみました。するとはてなキーワードで詳しく紹介しておりましたので抜粋し、実際のIT関連の中小企業での体験談も交えて解説していきます。
ITドナドナ〜体験を元に解説
主に中小ITベンダーのエンジニア(PGが多いと思われる)が、客先に常駐して働くこと。 proxyの段数が多段になればなるほど、ドナドナ度合いが高くなる。
IT業界での零細企業、中小企業は、今ではセキュリティの問題などもあり、自社へ案件を持ち帰って仕事をするということが出来なくなってきています。そのため派遣されている社員が多く、勤めていた会社では20人規模の会社に7年間も在籍していたにもかかわらず、会ったことがない人や、話をしたことがない人は半数くらいいました。
幸い私は、1度もITドナドナを経験することはありませんでしたが、同僚や同期の話を聞くとひどいもんです。会社からは遠方への派遣を日常的に頼まれ、単身赴任で1年から2年派遣されることは珍しくありませんでした。
また、それを断ってしまうと「じゃあどうやって工数を稼ぐの?」と責められたりする場合もあるそうです。それが理由で辞めていく社員は1年間に2人くらいはいたと思います。
派遣先も派遣された人も不幸になることがある
proxyの段数が増えるほど当然、proxyに抜かれるマージンが増えてドナドナされる本人の手取りが少なくなり、職務経歴書も脚色されてプロジェクトが要求するスキルの本人のそれとのミスマッチが大きくなり、ドナドナされる本人はもちろんドナドナされてきたエンジニアを受け入れるプロジェクトも不幸である。
proxyとは、直訳すると「代理」という意味である。
プログラム書くだけの軽い仕事は、ITドナドナにまかせ、重たい仕事は本人で行うということが頻繁にあります。どの業界もそうですが、下請けのさらに下請けとなるとドナドナされる本人の手取り額はどんどん低くなっていきます。
そのため職務経歴書も脚色し(会社側が賃金が良いプロジェクトへ派遣したいがため)、担当するプロジェクトのスキルが無いにもかかわらず、本人のスキル以上のプロジェクトへ派遣されてしまうことが稀にあります。
実際に、以前勤めてい会社へドナドナされてきた方がいました。結局、そのプロジェクトのスキルがなく、出来ない仕事だったので4ヶ月のところを1ヶ月で契約を切られてしまいました。正直ドナドナの方は可哀想でした。
またどこかへドナドナされるんだろうなと思ったら気の毒です。
こういった事が続いてしまうと、派遣先の会社にとってはデメリットしかありません。言い方は悪いですが、仕事が出来ない人にお金を払うんですからね。デメリットを防ぐために最近は、派遣先とドナドナ本人で、予め面接を行うということも増えてきているようです。
プログラマーはクセが強く、一緒に仕事をしづらい人が多いのも事実なので、余裕があるときは、事前に面接なり面談なりはしておいた方が無難なのは間違いないです。
不安定な雇用条件、IT土方(ドカタ)と呼ばれる
プロジェクト全体としては多様な技術が要求され元請けではすべてを賄うことが出来ない建設・土木・大工業界において、技術を担う職人への属人性が強いために下請けが法人としての規模が零細化しているのはある意味必然であるが、IT業界において職人的に技術に特化したベンダーを除いては多段ドナドナされてきたエンジニアは工数上の数合わせに意味合いが強くなり、「ITドカタ」と悪評とともにこの業界が優秀な学生を逃す一因となる。
プログラマーという仕事は、パソコンを使う華やかなイメージを持っている人が多いかもしれませんが、それは違います。
実際の労働は地味で地道で労働時間が長い仕事です。専門職の技術者としての認識は低く、単なる作業員という扱いをされることが多いのではないでしょうか。
零細企業や中小企業のプログラマーは特にそうですね。また、賃金も低く、そのうえドナドナを繰り返されるという不安定な雇用環境での労働をしなくてはいけない。
そのため同じく厳しい労働環境の土木作業などに例えられてIT土方、またはコンピュータ土木作業員などと呼ばれています。
まとめ
ITドナドナの意味を、理解出来たでしょうか。
零細企業や中小企業でも、ドナドナをしなくていい会社はたくさんあると思いますが、ドナドナ会社では働きたくないですね。
最後になりますが、同僚の話によると、コミュニケーション能力が乏しい人は、派遣された先でけっこう苦労するようです。しかも1年間など長い期間の派遣が終わったとしても、また次の派遣先へ労働場所を移らなければなりません。
まさにドナドナ地獄ということです。
個人的にはプログラマーにはならない事をオススメします。